ブランドストーリー
小川 光章
京都の伝統工芸「京友禅」の工房にて10年間の修業を積み独立。一人前の証、落款名「光章」を屋号にし京都 伏見の地に工房を構え、現在のブランド〈ＫＯＳＨＯ〉へと受け継いでいます。創業時には着物の手描き友禅を手掛けておりましたが創作の領域を現代の暮らしを彩る「布アート」暖簾やタペストリー、そして “ougi” バッグまで広がりました。工房の様子や作品は、時の流れと共に変化したものがありますが、京友禅の工程を基本とし、染色方法や道具も同じものを使い制作し続けています。その中、独自の創作の道を歩む中、京友禅を飛び出しあらたな世界を切り開いた、重ねの美意識をバッグに取り込む “ougi” を発表。内側からハッとする鮮やかな挿し色があらわれる “京都の粋” な感性と日本の伝統色 “四季の色” が表現されている帆布製バッグは海外からも高い評価を得、ニューヨーク近代美術館（MoMA）ミュージアムショップやセレクトショップにも並びました。
新たな世界へ ブランド〈ＫＯＳＨＯ〉
いにしえより受け継がれてきた “重ねの文化” 。着物に見る色と色の重なりはもとより食器や調度品のお重、そして折り紙のように様々な形で伝わる日本の生活文化を現代の暮らしに活かしたいと生まれたブランド〈ＫＯＳＨＯ〉。古くから伝わるよきものを新しいカタチにしていきます。
〈ＫＯＳＨＯ〉から “ougi” バッグが登場
裾を広げると扇形に形を変え、内側から鮮やかな色を見せる驚きと感動。一見すると、工芸作品のように美しいバッグ “ougi” 。バッグの裾を広げると折りひだが開き、内側から挿し色が覗くデザインで見えない部分に洒落をほどこす “京都の粋” を表現しています。
- ・登録意匠（ 日本・欧州・中国 ）
- ・登録商標（ 日本・欧州・中国・米国・豪州・ロシア・シンガポール・台湾 ）
“ougi” のデザインは意匠権を取得しており、権利者の許諾なく無断に使用は固く禁じられています。
“ougi” 扇をモチーフにした斬新な色あわせ
日本人は着物の裏地などの隠れた部分で密かにお洒落を楽しむ文化があります。着物の襟（えり）や袖（そで）、そして裾（すそ）からちらりと覗く色や柄、また羽織を脱いだ瞬間に見える色や柄が粋とされました。そうした 日本古来の文化を現代のライフスタイルに生かしたのが、〈ＫＯＳＨＯ〉の “ougi” bag。一見、単色のシンプルなトートバッグだが、裾を広げると扇形に形を変え、内側から鮮やかな色を見せる驚きと感動。また、シンプルな長方形に一筋・二筋・三筋のスリットを入れた、潔いデザインのトートバッグです。スリットの内側からは挿し色がちらりと覗く墨色に紅色、生成色に紅色、墨色に縹色（はなだ）など、その配色はハッとするほど鮮やか。日本人らしい粋な感性を取り入れることで、素朴なトートバッグはグッと洗練されユニセックスで使えるアイテムです。
京の四季 “色” を愉しむ
日本の伝統色は千百余色もあり日本人の美的感覚、文化、歴史に基づいています。“ougi” はとりわけ京都の四季の景色をイメージした響きの良い色名をバッグに挿し込んでいます。
- ・墨色 すみいろ＝ 銀閣寺水墨画の世界
- ・生成色 きなりいろ ＝ 桂離宮書院の白壁
- ・紅色 べにいろ ＝ 嵯峨野の竹林に咲く椿
- ・縹色 はなだいろ ＝ 京町屋の軒先に咲く朝顔
- ・躑躅色 つつじいろ ＝ 二条城神泉苑に咲く躑躅
- ・橙色 だいだいいろ ＝ 東福寺通天橋を彩る紅葉
- ・金色 こがねいろ ＝ 金閣寺舎利殿の金箔
“ougi” バッグは工房内では染色はしておりません。色の “組み合わせの妙” により個性的なカラーコーディネートをしています。
荷物の量によって異なるデザインに表情
�…絞�形と �∪襍燭琉磴辰新疎屬鯤擦算�ち、バッグの裾を広げると折りひだが開き、内側から挿し色が覗き �２拱�の量によりマチを活かした使い方ができスタイリッシュで個性的なところがとても素敵です。そして折り目に沿い畳むと �，諒弔犬疹�態に戻せます。
素材にこだわり縫製の美しさを求めて
日本の各地で伝統的に受け継がれてきたさまざまな織物は昨今では途切れつつある貴重な存在となっています。“ougi” はその素材から厳選し、適度に品のある質感と存在感を持つ綿100％の帆布・デニムを採用しました。そして一点一点、熟練の職人による丁寧な縫製は品の良さと美しさを感じさせます。
工房からMADE IN KYOTOをお届けします
“ougi” が制作されているのは京都、東山三十六峰の南端、稲荷山の丘陵地に位置し工房の廻りには天皇御陵やお寺、竹林、畑が広がっています。春には子連れのキジが現れ、初夏の日の出頃には若い鶯の初々しい歌声、大晦日には除夜の鐘の音が身近に聞こえ季節の移ろいが感じられます。長く都であった京都は、ものづくりも1200年以上の歴史を有しており、300年続いてやっと老舗と名乗れる土地です。そこで育まれた伝統産業の品目数は日本で一番多く、伝統産業をベースとした付加価値の高い確かなものづくりが息づくところです。伝統と革新、自然と人工、熟練者と若者、様々に交錯しバランスを保つ京都。その豊かな感性と確かな技術で、デザイン・染色・縫製と全ての制作に関わり出来上がるブランド〈ＫＯＳＨＯ〉。京都で生まれ、京都で育ち、京都から巣立つ「Made in Kyoto」です。
